初めてのペットは、シベリアンハスキー

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私が、委託肥育に踏み切ったのは、スーパーでパック牛乳を大量に購入するのは、かっこ悪かったからで、牛乳は安くなっていない。娘は、日に3~4リットルの牛乳を消費した。1リットルパックを一食で飲み干すのである。 ひかりは、優秀な乳牛に育った。最盛期は、40リットル容器を満たして余りある乳量を示した。酪農家から、売ってくれと引き合いがあったほどである。 だが、殺処分の時、情が移って締められない者は、酪農家失格である。 私は白色レグホン(鶏)も飼った。肉を取るために飼ったのに、情が移って食べ頃を失った。 ひかりも廃牛期を迎えたが、屠殺に忍びず、ペットとして引き取った。離農したかつての酪農家の牛舎を破格値で買い取り、24頭飼える牛舎で、ひかりは、たった一頭生きている。 話がそれた。 銀の話だった。 銀は色々遊ぼうと思ったが、普通に愛玩犬がするような遊びしかできなかった。 ハスキー犬は、シベリアの大地でソリを引いていたはずだが、調べてみると、犬ゾリは、一頭では無理とわかった。 結局、フリスビーとか、ハンカチ探しとか、ありきたりの遊びしか出来なかった。 家族は、祖父祖母を和歌山に残して、名古屋に移住した。 銀は、庭付き一戸建て借家の庭で飼われることになるが、庭と言っても、5坪しかない。そして、名古屋には、動物が雀と鳩と犬猫しかいない。犬はみな繋がれている。すべての動物が、自分の飼い主としかコミュニケーション出来ない土地だった。
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