プロローグ

2/3
前へ
/6ページ
次へ
死にたかった。ずっと、ずっとこの苦痛しかない世界から逃れるために。 でも、 「死にたく・・・ない・・な」 実際にそれを間際にすると、怖くて怖くて仕方がなかった。 戦場で、何度も見てきた死。ただ当たり前に奪ってきた命。何のためらいもなく奪ってきた。奴等もこう思ったのだろうか。 生きたい、まだずっと生きていたい。と 死の間際には走馬灯が流れるというが、今の俺の頭を流れるのは未来への渇望だけだった。 未来が欲しい。 まだ、まだ俺は死にたくない。 例えそれが苦しくても辛くても、俺は生き続けたい。 何度死にたいと後悔しても構わない。 ただ、今を、明日を、未来を、生きていたかった。
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!

0人が本棚に入れています
本棚に追加