【1】あたらしい家族

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「これ、秋良、静かになさい!」 さすがに道代も焦るが、姉の子供だ、秋良も自分のペースで大人を操る術を知っている。 「女の子はどんどんしないの」 姑も、時々、静かにお小言を言い、その時ばかりは姪も姉も恐縮していたが、姑が嫌がっているかというとまったくそんな感じは受けなかった。 「小さい子供は、女の子は、いいわね」 ぽつりと言う言葉に、抑揚はないけれど、どこか心にかかるものを加奈江は感じた。 姉親子の来訪は思わぬ副産物を生んだ。 家にいることが稀な義父が、あらかじめ来訪を告げておくと在宅することが増えたからだ。 祖父や父とは違うタイプの男性である慎に、秋良は懐き、背高のっぽのおじちゃまと慕った。 慎が、これまた意外なことに秋良を可愛がった。 「小さい子はいいね」 慎は言った。 房江も、慎も、子供好きとは。加奈江は面食らった。 「無限の力を感じて、こちらも元気になるよ」
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