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心底そう思っているのがわかる秋良への接し方は、とても可愛がられて育ったのだと言った政の言葉を裏付けるもので、彼の両親が彼を大層愛したこと、特に父親の側の様子が伝わってきた。
親になるから人は子を慈しむのか。
子供が産まれると人は変わるのか。
わからない。
姉の道代は、特に出産前も後も変わりがないように見えた。元々、包み込むように人を愛する質で、表だらけの夫の影響もあって、ことさら分け隔てなく人と接しているところはある。ただ、相手次第でわざと意地悪をすることもあるようだけれど、これは愛情の困った裏返しだった。
私は――どうなるんだろう。
政は?
加奈江は思わず自分の下腹をさする。そこには子供がいる兆しはまだない。
秋良がいるだけで家の中の空気が変わるのだ。
ここに赤ん坊がいたら、どうなるのだろう。
硬くて、時折寒くなるこの家にあかりが灯るようになるのかしら。
結婚してから自分は変わった、と加奈江は思う。
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