第1話

ハゲ

伝説的サッカー選手にジダンというフランスの選手がいる。
彼は20代半ばから髪の毛が抜け落ち、30手前では頭頂部がつるっつるだった。

彼だって20代前半は髪は多かった。男性ホルモンの影響で抜けただけだ。

今思えばあだ名がジダンだった時もあった。でもそれはちょっと違う。俺の髪の毛は全体的に薄い。頭頂部が目立つのはつむじがあり、薄さが際立ちやすいからだけである。

髪を手で分けて頭皮全体を見渡すと頭全体に髪があまり生えていないのがよくわかる。

ここまで髪の薄い人を俺は見たことがない。
おそらく日本人の上位１％のハゲポテンシャルを秘めていると言って間違いないはずだ。
おそらく今生えている本数をジャスト2倍にしても日本人平均にも及ばないと思う。
頭皮を分けていくと毛と毛の間が5ミリくらいあるところもあった。

このように日本人最高レベルのハゲはどこからきているのかと疑問になることもあった。遺伝かもしれない。しかし兄は禿ていない。俺は禿げている。なぜだ？
でも母さんはトップ１％に入るハゲポテンシャルを持っていた。
あぁ、兄は間逃れたが、俺は母さんの悪いハゲ遺伝子をいかんなく受け継いでしまったようだ。