14 失われた幸せ

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「ビュー達から、どこまでティーレの話を聞きました?」 鬱蒼とした森を抜けると、海が見下ろせる穏やかな場所に出た。 そこで、陛下と並び、静かに海を眺めて待っていると、陛下が静かに口をひらいた。 「私が知っているのは、ビューの妹であるティーレさんとファルシア様は、幼い頃から一緒に遊び、恋をし……婚約した」 私が淡々と話し出すと、陛下は軽く頷きながらも、海を眺めたまま、穏やかな表情を浮かべ、私に次を促す。 「そして、周りの反対にあい、不安にさいなまれ精神を壊したティーレさんは、ある日、陛下の部屋でティーレの花に囲まれ……自らお亡くなりになられたと」 心が痛んだ。 まだ、若い令嬢が、貴族達から嫌がらせを受け死を選んだ事実は悲しみしか残らない。 「その通りです。私がティーレを愛し、周囲の地固めもせずに無理やり婚約した。そのしわ寄せは、すべてティーレにいってしまった。ティーレを守れなかった。あんなにも……愛していたのに」 陛下を見ると、耐えるように海を見つめ続けている。 全てを一人で背負い込むように。 「ビューは、ティーレさんの死を他殺だと考えていました。シルヴィアさんも同じです。その時の状況を話してくれませんか?」 なにか、他殺に繋がる手がかりが見つかるかもと、海を見つめたままの陛下の正面に回り込む。
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