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物腰も柔らかく、話し方も丁寧なうえ、ゆっくりと親しみを込めた巧みな話術。
相手に合わせ言葉を選ぶが随所に棘が感じられる。
なぜか私は嫌われているらしい……。
今日この場で初めて会った男に、こうまで嫌われる私の性格もある意味凄い。
「それにしても、その髪は切らないのでですか?邪魔では?それに、その髪飾りは……あなたには似合わないと思いますが?」
見つめられたのは、自分の長い髪。
しかも尋常ではない長さの髪だ。
シラー王家特有の青空のような水色の瞳と張りのある艶やかなブロンドは、長椅子に座っていると床についてしまう。
だから長椅子に座る時、私の隣は髪が占領するため、誰も座れない。
立つと床につくかつかないかのギリギリのライン。
しかも、シラーからずっと毎日同じ髪飾り――女性なら、まず身に着けるどころか見るのも嫌う8本足の蜘蛛の形。
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