魔法学校の、一日

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「くあぁ~……」 ──男子生徒寮、その一室。 「ねむっ……」 ぼさぼさのおかっぱを掻き乱しながら、ネアルが起床した。 ルームメイトである他の二人は間抜け面で大の字になって、布団から外れながら寝ている。 眩しい朝日から逃れるように布団から這い出て、ネアルは朝の支度を始めた。 ……この学校は、私立校に進んで通う子供以外の国土内の子供全員を収容するため、幾つかある学年やクラス別の学校棟群から少し離れたところに、連立した学生寮がある居住区と、様々な店舗を集めた商業区を設置した、生活地区を用意してある。 いわゆる学園都市の形態を取っており、敷地面積は国土の約五分の一を占めているほどだ。 全ての国民が軍用及び生活必需の魔法を扱えるようにという国柄が表れた力の入れようが見てとれる、他の国でも類を見ない規模の学校である。
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