馬鹿どもは留まることを知らない

春、一年の始まり

その特色として、国の中でも地方の農村など、教育が行き届いていない地域の知恵遅れを考慮して、クラスごとに教育内容が大きく異なり、上位と下位のクラスでは雲泥の差があった。

と、そこまではいいのだが、例の三人は、最低クラスのＺ組に所属しておきながら、それでも勉強が死ぬほど出来なかった。

進級すらも危ぶまれ、このままでは何年経っても卒業出来ないと踏んだ三人は、正規の手段とは違う、ある裏の方法を目指したのだ。

その方法とは、担任の教師を倒すこと。

一言で言えば簡単だが、それは実際にはほぼ不可能な、ある意味勉学よりも苦難の道であった。

というのも、ここには国の歴史ある学校として、数多くの優秀でいずれも名のある教師を採用しているからだ。

例えば、歴戦の戦士であったり、高名な魔術師だったり、それも厳しい採用試験でふるいにかけた精鋭の集まりであり、学校そのものが国の難攻不落の最終拠点と呼ばれるほどである。

逆にその裏道パスは、そんな教師に挑むくらいならば勉強をしたほうがマシだと生徒たちに再認識させるための、ただの形だけの救済措置だったものなのだが、三人はそれはもう救いようのないバカだった。

学校初の快挙というか失態というか、学校中を大きく揺るがすこととなるその戦いについては、ここでは多く語るまいが……結果として彼らは見事、進級することが出来たのであった。