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「山田、佐藤、鈴木の三名は、今からちょっと顔貸せなの」
「やっぱりか……」
ネアルはため息をつき、椅子から立ち上がった。まだ事情を理解していないベロスは、へらへらと気楽に笑う。
「おいおい兄弟、早くも先公からラブコールだぜ。やっぱ去年のでファンがついちゃったりしてな」
「バカか、んなわけねぇだろ。猫起こして連れてくぞ」
「へへ、はいよ」
ベロスはホームルーム中も寝っぱなしだったニャガの頭をぶん殴り、配慮の欠片もない起こし方をする。
しかし頭が頑丈なのか、それとも鈍感なのか、ニャガは目覚めても寝ぼけまなこでこう呟いた。
「……あれ、夕飯食べ損ねたにゃ?」
「お前ん中でいつから寝てる計算なんだよ」
「?……計算とか頭痛くなるだけにゃ?」
「そうかい……」
にゃーにゃーうるさいニャガをまともに相手にするのは、同じバカでも辛いものがある。
今更ながら、友を選ぶべきだったかと後悔するネアルであった。
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