春、一年の始まり

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──校舎間の渡り廊下。 「山田はもう察しているようなのだけど」 三人を集めたミュウは、早々に話を始めた。 「わかってますよ、先生」 が、それをベロスが得意気な顔で口を挟む。 「どうしても俺らのクラスがよかったんですよね?大丈夫です、サインならあとでいくらでも、」 「勘違いバカはとりあえず黙って聞いてほしいの」 ぴしゃりとそれをシャットアウトし、馬鹿の中でも話がわかるネアルに向けて説明する。 「去年のお前らの愚行は嫌でも耳に入ってきたの。学校職員全員で何回特別会議を開いたことか、めんどくさいったらありゃしなかったの」 「それはご迷惑をお掛けしましたが……別に俺たちはズルしたわけじゃないですよ」 「そうなの、あくまでお前らは『正攻法』でクリアしたの。……ま、それが問題でもあるのだけど」 厄介なことをしてくれたの、と敵意すら剥き出しにして、ミュウは言う。 「お前らの所業は、生徒たちからすればちょっとしたヒーローかもしれないのだけど、ミュウたちからすればやってくれたなという感じなの」
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