私のきゅん度は謎である

2/2
前へ
/2ページ
次へ
いきなりだが。 私は海の生物が大嫌いだ。見るのも嫌だ。触るのも遠慮したい。 生物は昔は食べていたそうだが、生物関係を口にすることが殆どできない。 嫌いなものをいきなり食べさせられて、胃が痙攣した経験はないだろうか。 それとも私だけの特権なのか、引きこもり属性に調べることは無理だった。近くに人が居ないから。 そんな私にときめきをくれたのは蛸だった。 深夜番組の水族館。水槽の映像が見せたのは蛸壺におさまる小蛸。 今をきらめく禿げ。頭の湾曲した部分と掴み所のない絶壁。 怒って墨を吐き散らすときに毛のないツルッとした箇所が妙なリズムを刻んでいて、そのあとは脱兎のごとく逃げる。 その姿が私を射止めて離さない。録画ビデオをリプレイしてしまったほどだ。 これが巷で噂の禿げきゅんか。 私のきゅん度は自分でもよくわからない。 ただ、周りの話題にのれたのはこれが初めてだったといえる。 完 2014年8月6日
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加