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古田は分かっていた。
アキが何の話をしたいのか。
いい話が聞ければ嬉しいと、古田は心から思っていた。
「分かった、明日安らぎで」
古田のメールを見ながら、アキは思い出していた。
あの悪夢の様な時間を…。
自分が古田を苦しめ、傷つけていた。
それでも古田は、本当の自分を隠し、アキの求める男になろうと努力していた。
そんな古田の苦しみを分からずに、アキは古田を裏切った。
その結果、あんな事になってしまった…。
古田は何度も何度もアキに謝った。
アキは古田を責めることなど出来なかった。
全て、自分の蒔いた種なのだから。
アキは古田を許し、古田もアキを許した。
そして、二人は分かり合った。
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