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「ーーーーーー!」 「ーー!」 飛び交う悲鳴と共に、人々はみるみるいなくなり、かえって戦いやすくなった。 『はぁああ!』 『っせぁああ!』 立て続けに放たれる連撃を、黒い鎧武は鮮やかに捌き、的確に急所狙いの攻撃を返してくる。 『っ!』 『きゃっ…!』 一撃がキバーラに入り、横っ飛びに飛んだ躯は人が消えたブティックの店内に突っ込んでしまう。 ショーウインドーのガラスは粉々になり、マネキンが着ていた、高そうなマダム向けの一式はビリビリに破けていた。 『あぅう…ごめんなさい』 律儀に謝る。しかし、謝る相手はすでに逃げ出してしまっていない。 『そんなもんどうにだってなる!先にコイツだろがっ…ぁあああっ!』 大きくふっ飛んで後退した士を見遣り、気を引き締めて新たなジュエルを取り出す。 『チェーンジッ!電王!ガンフォーム!』 紫に銀の、龍を象った鎧の銃使い、電王 ガンフォームへと姿を変えた夏海は、すかさず弾丸を撃ち放つ。 『っ!』 後退した黒い鎧武は、刀の鍔を引き、トリガーを引いた。 『きゃあっ!』 『夏海!』 弾数は、電王の方が上だった。しかし黒い鎧武は的確にかわしながら相手にダメージがいくポイントを狙い撃ったのだ。 『うぅ…」 倒れ伏す夏海。その身体は傷だらけだった。
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