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『ぁあああ!』
雄叫びと共に、烈蹴。
確実に脇腹を捉えたはずの右足は紅い弓、ソニックアローに阻まれる。
武器を出されれば此方の分は悪い。
『チェーンジ!仮面ライダー!メテオ!』
ならばその武器を降せるだけの威力の一撃を叩き込むだけだ。
何故か俺は、妙に焦っていた。
こいつの放つ、得体の知れない重圧に。
体が本能で叫んでいた。
『Meteor on!Meteor!Limit break!』
一旦距離を取った直後、俺は飛び上がり、蹴りを見舞う体勢に入る。
『ほーぅ、随分勝負を急ぐね』
『レモンエナジースカッシュ!』
台詞と電子音。それらが聞こえた刹那、俺の眼を光の飛沫が覆い尽くした。
『がはっ…!』
痛みと共に一瞬の白昼夢から覚醒する。
『コイツ…っ!』
臨戦態勢にはなるが、ダメージは相当にでかい。
勝てるのか…?
そんな弱気な自問が聞こえそうな、危機的状況だった。
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