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店を出ていく二人を見届けたあと、ふと振り返ると…
「…なにしてんだお前は」
士の奢りの品にパクつく美穂の姿があった。
「だって勿体ないじゃない」
「いや、そういう問題じゃねーよ、あの空気のあとによく食えるな」
「だって、勇騎なら大丈夫だもん!」
そう宣言する美穂の笑顔が眩しい。俺が守らなければならない人は、これだから守りたいのだ。
ーーーーーー
「全く世話の焼ける後輩だった…」
「後輩?勇騎君がですか?」
雨が嫌なので地下のショッピング通りを歩く男女。もちろん門矢 士と光 夏海である。
ぶらぶら歩いているだけでアテはないが、どうしようという風ではない。
旅を続けてきた者の貫禄というやつだろうか。
が、緩んでいた表情がふとカタくなる。
視線の先には、一人の青年。別にアホな振る舞いをしているわけではない。普通にむこうから歩いてきているだけだが、ある種の畏怖のようなモノを2人に感じさせたのだ。
「夏海…」
呼び掛けに無言で頷き、ジュエルを構える。
「お前、何者だ?」
そんな士の問に、目の前の青年は抑揚のない声で応えた。
「冬摩 刃(とうま じん)…」
取り出したベルトを装着しジュエルを装填する。
『Set up…』
「変身…」
闇から這い寄るような暗い声と共に、ジュエルはベルト中央に押し込まれ…
『チェーンジ…鎧武 ブラックジンバーアームズ!』
闇を切り取ったように黒い姿の、鎧武へと青年の姿を変えた。
「っ!いくぞナツミカン!」
「はいっ!」
「「変身!」」
『チェーンジッ!仮面ライダー!ディケイド!』『チェーンジッ!仮面ライダー!キバーラ!』
『KAMEN RIDE…DECADE!』
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