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01
もう限界だ! ほんとうにきつくて耐えられねえ! あんなもんシャレにならねえよ!
オレは自らの左肩口を見つめている。全身の体毛モドキのせいでそこの状態をよく確認できなかったので前足で探った。
先端に円形の布が縫いつけられ、円錐の底じみた形状の部分には体毛モドキはない。よって触覚が鋭敏になっている。その部分で肩口を探る。
肩の周りで自らの前足の感触を覚えているとふいに、ぞくりと背すじに悪寒が走った。いや背すじなんてないけど。オレの原材料は綿と布とその他もろもろだからな。
「ああ……やっぱりほつれてやがる」
悪寒の原因はわかっている……傷口から露出した綿に触れたからだ。
左肩口では縫いつけていた糸がほつれ、なかから引っ込み思案な白い綿が体を動くたびに、出たり入ったりをくり返していた。
引っ込むなら引っ込んでろよ畜生。ほつれた箇所に綿がこすれるのがどうも気持ちわるい。
とりあえず悪寒を覚悟のうえで、ほつれた箇所に前足の先を突っ込み力まかせに押し込んでおいた。
頼むから、もう出てくるんじゃねえぞ。
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