577人が本棚に入れています
本棚に追加
この仕事の気に入っているところは、
事務所が4階にある事。
窓から広がる景色は、ふいに私の足を止める。
小さくちぎったような白い雲が、
遠くから流れてくる。
はっ。
しまった。また自分の世界に入ってしまった。
鞄から財布を出しながら、気づかれないように
河野亮二のほうをちら見した。
ドキっ。
しっかり目が合った。
見てた・・?
「あの、出してきます!」
ぼーっと窓の外を眺めていた自分を見られたのが、
妙に気恥ずかしくて、封筒を手に慌てて歩き出した。
最初のコメントを投稿しよう!