小さなつぼみ

6/11
前へ
/242ページ
次へ
改めて見たが、普通の顔だった。 エレベーターのボタンを押して、 下から上がってくるのを待った。 4階が点灯して、静かに扉が開いた。 なんとなく天井を見ながら中に入り、 閉まるを押した瞬間、 「・・」 足音に反応して開くを押した。 「ありがとう!」 飛び込んできたのは河野亮二だった。 「良かった、間に合った。」 え?追いかけてきた? ドキッとしそうになるところを無理に静めた。 もう一度閉まるを押して、1階を押しながら、 1階でいいの・・・かな? 河野の顔を見上げた。 「うん、いいよ。」 視線を送っただけなのに、返事が返ってきた。
/242ページ

最初のコメントを投稿しよう!

577人が本棚に入れています
本棚に追加