小さなつぼみ

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男性とこんなに穏やかに、普通に一緒に歩くのって、 ものすごく久しぶりな気がした。 まぁ、ただポストへ一緒に行くだけのことだけれど。 隣を歩く河野亮二。 その横顔にちらっと、 気づかれないように、視線を移した。 はずなのに、 ドキっ。 また目が合った。 「あ、あのポスト。あそこです。」 四角い物言わぬ赤い箱に、 ついてしまった。
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