小さなつぼみ

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「竹原さん。」 「あ、はい。」 ふいに画面の向こうから呼ばれ、顔を上げた。 「これ、悪いんだけど、出しておいてくれる?」 封筒の束を見せて、河野亮二が言った。 もう、名前覚えたんだ。 「はい。」 机から乗り出して受け取った。 あれから1時間ほどして、河野亮二は一人事務所に戻ってきた。 2班のミーティングが終わったのだろう。 ちらっと壁の時計に目をやると、10時半。 お昼を買いに出るには早いけど・・・・ま、いっか。 パソコンの電源を切り、 くるっといすの向きを変えると、 窓から青く広がる空が目に入った。
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