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「あーあ。わたしも見たかったな。あーちゃんの、彼氏さん」
ベッドに横たわるハルカは、さも残念そうに大きなため息をもらした。
さすがに、その細い腕には痛々しい点滴のチューブが繋がってはいるけど、
それでも、つい三日前の危篤状態が嘘のように元気だ。
「ふふふ。もったいないから、隠しておくのよ。無闇に見せたら、減っちゃうでしょ?」
「えー、ずるい!」
からかいモード全開の私のセリフに、ハルカは少女めいた仕草で、ぷうっと頬を膨らます。
私と直也が別れたことは、ハルカには伏せてある。
教えれば、ハルカはきっと自分のせいだと、心を痛めるだろう。
もともとあれは、浩二が独断でやったことなんだから、ハルカが気に病むようなことじゃない。
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