プロローグ

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教室中に響き渡るザワザワとした 心地よい騒がしさの中、 私の目は自然と窓の外に吸い寄せられた。 数人の男子達が、この暑いなかを走り回り、白い歯を見せ合う。 でも、そんな男達よりも私が惹かれたのは 中庭のベンチに気だるげに寝転がる 彼。 ボーと空を眺めるその瞳は憂鬱な陰 を灯し、 軽く開いた唇は肉厚で キスをしてみたいと 願わずにはいられない。    「…見つけた―」 彼を長いこと探していた。 やっと、見つけた。 ―…もう、絶対に逃さない…
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