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「こんなにも太陽が眩しいのはいつぶりだろうな。」
僕の隣で友達が話し始めた。僕は無言で頷く。
「お前が静かになってしまったのはいつからだったかな。」
そして話は回想に…
「いかねえよ!お前はいい加減その回想任せの会話をやめろ!」
「仕方ないだろ、俺のキャラ設定はこうなってしまったんだ、俺のせいじゃないぞ、キャラ設定とか言い始めたのはあいつだからな。」
と、回想任せのこいつ。晃羅(あきら)が指差したのは、さっきからずっと眼鏡を拭いている小柄な女子、夕花(ゆうか)だ。
「何ですか、私のせいではないでス。仔折(しおり)君も共犯ですヨ。」
ちなみに、夕花が言っていた仔折君とは僕のことだ。
「てかこれって一体なんなの?」
そう言ったのは、さっきから鏡を見ながら自分のメイクをいじっている海流(ミル)。
そろそろ説明しておこう、まずは僕たちが今置かれている状況からだ。僕たちは今ある屋敷にいる。
ちなみに、僕たちとは、僕、晃羅、夕花、海流、そして、今まで一度も言葉を発しない少年。誰も彼のことを知らないのだ。
少年以外の人とは同じクラスだったので、お互い知ってはいる。
屋敷にはいろいろな設備があった。
男女分かれて眠れる寝室。武器庫、図書館、娯楽室があった。地下に向かう階段があったが、鍵がかかっていて開かなかった。
寝室には、男女両方の部屋に、ベッドが二つあった。武器庫には様々なナイフや拳銃があった。娯楽室にはゲームやビリヤード、ダーツなどがあった。図書館には世界中の本が置いてあった。
「これは脱出ゲーム・・・」
急に今まで喋らなかった少年が話し出した。
「これは中学生を集めて行われる脱出ゲーム…1週間以内に脱出しないとみんな死ぬ…」
「な、何言ってんのよあんた!」
変な事を言い出す少年に海流は動揺を隠せないようだ。
「脱出ゲームか、いいな、俺が脱出ゲームを最後にしたのはいつのことだったろうか…」
と、話は回想n…
「だから行かないって言ってるだろ!」
「二人共煩いでス。今は大人しくこの少年の言っていることについて聞いてみるのが先でス。」
「僕は自分の事については何も覚えていない…だけど、この脱出ゲームについてはよく覚えている…」
少年はそう言いながら、どこかへ行った。
「何よ!脱出ゲームについては何も教えてくんないの!?」
海流がそう叫ぶが、少年は無視して寝室に戻った。
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