風邪と自覚と残された想い

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霧島side 雄二が帰ってくればびしょ濡れだった タオルを持ってこようかと思えば 今にも泣きそうな顔で雄二が私を睨む 雄二「どうしてだ・・・・・・翔子」 翔子「・・・・・・雄二?」 涙を流す雄二。 見たことのない瞬間に一度固まる 私はいつもどおり耳を傾けようとせず浮気は許さないと言いかけたら雄二からの本音が飛んできた 雄二「俺は、あいつを抱きしめられなかった!!辛そうで、泣いてて!!今にも壊れそうなアキを!!俺はアキが好きだ!あの時、初めてアキを目にしてから、好きだった!!なのに!!なのに・・・・・・アイツは、アイツは俺が翔子といるから泣いたんだ!!」 吉井が泣いてた・・・・・・?私と雄二が一緒にいるせいで? 悔しいのかその場に座り込む彼を見て吉井が好きなんだと理解した いや、私自身最初から理解していたのかもしれない 吉井が女性になってから雄二の目線はいつも吉井だった 吉井の手伝いをするのも、仕方のないことだと目をつぶってきたけど やっぱり私は雄二が好き けど、雄二から抱きしめたりしようとはしてはくれなかった きっと本気で吉井に惚れているからだ それで吉井の看病に行き、吉井を完治させたけど、私のせいで泣かせてしまった もしかしたら吉井は私が雄二のお嫁さんになることを夢見ているのを知っているから 翔子「雄二・・・・・・泣かないで」 私ができることはやってみせる意地でも 翔子「あのね、私、雄二の気持ちに応えるつもり」
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