第1章 デネブ 青木 翔

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大学に入りたての俺は、 変哲の無い大学生活を送ろうと、 すべての活動はスルーする計画でいた。 ところが、 思わぬところに、落とし穴があった。 それは妹だ。妹といっても年上の義理の妹だ。 俺の双子の弟の翼の嫁だ。 妹の名前は河野杏。 今をときめく杏コーポレーション株式会社代表取締役社長だ。品質マネージメントと営業教育活動を主な事業の柱としているらしい。 最近翼と結婚してから業績は どうも絶好調らしく人手が足りないと噂では聞いていた。 「翔君、悪いんだけど、今ちょっと、総務が人アップアップしてるのよ。 ちょっと、手伝ってくれない?」 ここで 「翼の方がいいんじゃないですか?」 と言ってみた。 できれば、杏社長みたいな仕事が良くて総務は地味そうで厭だなあと思ったので 翼をダシにしたのだが。 「ダメダメ。翼は大学とうちの事で忙しいの。会社は翔君が手伝ってよ。」 と、そんなことだろうと思った。 尊敬する杏社長の頼みとあれば、いた仕方ない。 総務の仕事を引き受ける事にした。 取りあえず、大学終わったら即呼びつけられた。 何かといえば今忙しいとのこと。 まあ忙しく無ければ、声もかからないし、採用もされないのだが。
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