長編4

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人は誰でも 自分の意志によって 心を変えることができる 変転する宇宙の中で 変わらないように思える自分 時は流れ 朝と夜が廻り 季節が廻る 人は緩慢に変化する その緩慢な変化の中で ダイナミックに自分が変わる そんな瞬間は 滅多に訪れない 深い思索なき日々は 無情に思えるほどに早く過ぎて ほとんど変わらぬ歳月を重ねる 今の快楽を求め 今の幸福を求め 今の遊楽に耽り 今の満足に耽る そうして過ごした日々の なんと薄っぺらいことか 人は本来 未来を志向する生き物である 今に伝わる知恵の結晶が 未来に備えての準備を物語る 書物しかり 保存食品しかり 親子も 師弟も 主従も みな未来に向けた準備だ 今の世代が 後生に何を残すのか 今を生きる世代の 思索するべき最大の点である 未来がなければ 生きる意味はない 未来へと生命を繋ぐために 為すべきことを為さねばならない それが務めである そのことについて 深い思索を重ねる日々は 必ず輝く そして深い思索から なんらかの答えを得るとき 人は劇的に変化する 母は子のために生きる日々で 大きな変化の毎日を送る 子は知らぬ世界を知る日々で 爆発的な変化の毎日を送る そこには未来志向がある
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