第1章

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『サトルはどこにも行かないわよね?』 うん。 『サトルは友達なんていらないわよね?』 うん。 『サトルには恋愛なんて早いわよね?』 うん。 『サトルは・・』 サトルハ、オカアサンノソバニ、ズットイテクレルワヨネ・・? うん。 『栗原君』 ・・・うん。 『栗原君?』 ・・うん。 『栗原悟君っ!』 「はっはい!」 自分の名前を呼ばれ、ボクは我に返った。 ボクはまた、ボーっとしてしまっていたのだろうか? えっと今は、家で勉強をしていて・・ それも、家庭教師の先生が来てくれていて・・ 「栗原君。集中してなかったのかい?」 先生の少しだけ呆れた声。 「スっスミマセン・・」 すると先生は、ボクの顔を覗き込んできた。 「・・イケない子にはどうするんだったかな、栗原君」 「先生・・」 「お口、開いて」 頬に手を当てられ、先生の顔が近づいてくる。 「・・はい、先生・・」 先生のメガネの奥の瞳を見つめ、ボクは少しだけ口を開き、そっと目を閉じる。 『栗原悟』高校生。 家庭教師の先生に『セクハラ』という行為をうけています。image=497893219.jpg
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