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俺こと「如月 正一郎」はいわゆる不良のレッテルをはられている。
俺の通っている高校は地元でも有名な不良校で、毎日喧嘩に明け暮れていた。
身体が大きく、目付きも悪い俺は思春期のヤンチャボーイたちが絡むのにちょうどよい存在なのだろう。
しかし、俺もはじめの頃は毎日喧嘩していたわけではない。
とある事件でひとつのデカイ不良グループを潰してしまったため、学校の全不良に目をつけられてしまい、毎日喧嘩に明け暮れることになったのだ。
誤解のないように言っておくが俺は別に喧嘩が好きというわけではない。どちらかと言うと嫌いだと言える。
だったら何故こんな学校に入ったんだと疑問に思う人もいるだろう。
俺は親がいない、保護者はいるが、そいつらからの送金などない。よって生活費も学校に通うための金も全て自分で稼ぐしかないのだ。なので、そこまで勉強をしなくても受かり、入学してからも必要最低限の勉強をしていれば卒業できるこの学校に入ったのだ。
そんな俺は今日も絡んできた名前も知らない誰かを潰して帰路についていた。
「ぉ~~ぃ。」
後ろから声が聞こえる。もう聞きなれてしまった声だ。
「お~~い、待ってくれよ~~。」
後ろを振り向くと予想通りの人物がこちらに走ってきていた。
「はぁ・・はぁ・・、ふぅ~~~、やっと追いつけた。」
「どうした?そんなに急いで。」
「どうした? じゃねぇよ!!
今日はいっしょに帰ろうっていったじゃねぇか!!」
・・・・・あぁ!!そういえばそんな約束をしていたような気がする。
目の前のやつを見るとジト目で俺のことを睨んでいた。
「・・・お前、忘れてただろ。」
「・・・スマン」
「はぁ・・まぁいいさ、なんとかお前に追いつけたしな。ほら、帰ろうぜ。」
「おう。」
そうして俺達は並んで歩きだした。
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