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「あれもダメ、これもダメ!まったく深好はダメダメ星人ね!」
と、ぷくっと頬を膨らませる美依は、もしこれがアニメや漫画だったらまるでプンスカと音が聞こえてきそうな様子である。言動はともかくこういう表情は見た目相応で可愛らしいのに。と心の中でため息を吐いた。
「そんな膨れっ面してもダメだ」
「じゃあダメ男ね」
「おい、その言い方はやめろ!」
確かに僕には人より優れているところがない、普通の人だけれど、ダメ男は言い過ぎじゃないだろうか。なんだかまた視界が滲んできた気がするのを優しく服の袖で擦ることで防いだ。
「ねぇ、ダメ好」
「勝手に僕の名前変えんなや!」
あぁ、きっと虐めはこうして生まれるんだな。と、悲しいを通り越してなんだか何か悟った気分に陥りそうになる。コイツを連れてきたのは間違いだった気がしてきた。
「だいぶ凹んでいるわね」
「もしかしてダメ好って『ダメージ良好』の略だった!?」
「ふふふっ」
あぁ、面白い。とにこやかな美依見て許してしまうのは、今の時間が深夜というのもあるかもしれない。深夜は人のテンションをおかしくする。まぁ、可笑しいのは美依だけで、僕はちっともおかしくはないが。
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