0人が本棚に入れています
本棚に追加
椅子に腰かけ、書類に目を通していた女性が立ち上がり、目の前に立つ。
そのまま3秒ほど値踏みする様な視線を正面から受け、気まずさから顔をそむけようかというところで女性が話し出した。
「初めまして、君空 光揮くん。私はここの責任者で名を星空 伊月という」
ここの責任者って事は、学校でいえば校長か理事長と言った立場だろう。
ただ、みて受ける印象からはそのようには感じない。
彼女の着ている服は若干汚れの付着している白衣。
背中まで届く髪の毛は後ろで一つに束ねられている。
掛けられている茶色のフレームをしたメガネと、派手さはないが本人の魅力を引き立てる小さなピアス。
そして、口には煙を燻らせる煙草が一本咥えられていた。
なんというか、第一印象的には風音さんに近い感じがした。
「星空さんですか」
「あぁ、キミゾラ ミツキに、ホシゾラ イヅキだ。なかなかに私たちの名前は似ていると思わないかい?」
「え、あぁ、そうですね」
目を細めてクククッと喉を鳴らす壮年の女性は、小さく「愉快だねぇ」などと零していた。
うん、わからんなぁ。
正直、なんというか、意図が見えない。まぁ、意図が有るのかは別としてだが……。
「さてと、君はフィジカルブースト.Lv3と聞いているが間違いはないね?」
「Lv.3ですか?」
「あぁ、まだレベルの概念は知らないのか。よかろう、一つ説明をしてあげよう」
「あ、はい。お願いします」
なんか、ドヤ顔されたんだけど。
若干イラッと来たんだけど。
最初のコメントを投稿しよう!