第一章

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椅子に腰かけ、書類に目を通していた女性が立ち上がり、目の前に立つ。 そのまま3秒ほど値踏みする様な視線を正面から受け、気まずさから顔をそむけようかというところで女性が話し出した。 「初めまして、君空 光揮くん。私はここの責任者で名を星空 伊月という」 ここの責任者って事は、学校でいえば校長か理事長と言った立場だろう。 ただ、みて受ける印象からはそのようには感じない。 彼女の着ている服は若干汚れの付着している白衣。 背中まで届く髪の毛は後ろで一つに束ねられている。 掛けられている茶色のフレームをしたメガネと、派手さはないが本人の魅力を引き立てる小さなピアス。 そして、口には煙を燻らせる煙草が一本咥えられていた。 なんというか、第一印象的には風音さんに近い感じがした。 「星空さんですか」 「あぁ、キミゾラ ミツキに、ホシゾラ イヅキだ。なかなかに私たちの名前は似ていると思わないかい?」 「え、あぁ、そうですね」 目を細めてクククッと喉を鳴らす壮年の女性は、小さく「愉快だねぇ」などと零していた。 うん、わからんなぁ。 正直、なんというか、意図が見えない。まぁ、意図が有るのかは別としてだが……。 「さてと、君はフィジカルブースト.Lv3と聞いているが間違いはないね?」 「Lv.3ですか?」 「あぁ、まだレベルの概念は知らないのか。よかろう、一つ説明をしてあげよう」 「あ、はい。お願いします」 なんか、ドヤ顔されたんだけど。 若干イラッと来たんだけど。
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