第一章

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「まず、君の持つ常人を凌ぐ身体能力が強化身体能力つまり、フィジカルブーストと呼ばれているのは知っているかい?」 「はい、それは知っています」 「まぁ、ここまではもはや一般常識と言ったところだからね。さて、そのフィジカルブーストにはある基準が存在し、それによって三つに区分けされている」 「基準で区分け……」 「基準は細かく言えば結構複雑だからな。分かりやすく大雑把に言ってしまえば『常人の約何倍ほどの身体能力を発揮できるか』というのが基準だ。そして、区分けについてだが、これが先ほど言ったレベルだ」 「俺はLv.3らしいですね」 「そうだ。Lv.1で言えば常人の約3倍程度の身体能力を発揮できる。といっても、身体能力が約3倍だからと言って、単純に百メートルを4秒ほどで駆け抜けれるというわけではない」 「そうなんですか?」 「あぁ、君が思っている以上に身体能力というのは複雑なんだよ」 「あ、はい……」 「そして、Lv.2は常人の約5倍ほどの身体能力を、Lv.3で言えば約7倍以上の身体能力を発揮できる」 「Lv.2で約5倍、Lv.3で約7倍」 「思ったほど大したことはないと感じるかい?」 「そうですね。ちょっと拍子抜けというか……」 「まぁ、言葉や数値だけ見ればそう感じるだろうが想像してみるといい。Lv.1の人間が100メートルを7秒ほどで駆け抜ける姿を。この時点で常人なら世界新記録達成。見る側からすれば十分化け物に見えるだろうね」
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