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視界から消える風音さんを見送っていると、後ろから短く声をかけられる。
「着いてこい」
振り返れば軍服の男性はすでに歩き出していた。
「は、はい!」
おそらく風音さんよりも上の立場であろう男性の後を遅れないように小走りで追いかける。
そのまま会話もなく施設の入口を抜けて、長い廊下を歩いていった。
ふと、男性がある部屋の前で立ち止まる。
そして、数回ノックをすると中から女性の声が聞こえた。
「なんだ?」
「本日より入所になります。君空 光揮を連れてきました」
「あぁ、そうか。わかった、入ってくれ」
「失礼します」
扉を開けて中に入る男性に続く形でその扉をくぐる。
一番最初に目についたのは豪奢な机の上に乗せられている書類の束。
2束ほどだが、その高さは前にいる男性ほどの高さがある。
そして、その奥に一人の女性。
この人も男性と同じで、四十歳前後だろう。
「ご苦労だったね。下がってくれて構わないよ」
「はい、失礼いたします」
一言告げて、男性は退室していった。
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