13

3/13
前へ
/258ページ
次へ
驚きはしたが、迷惑だとは思わなかった。四谷さんは、上司であると同時に、大切な友人でもある。 「お相手の方と上手く行ったみたいで、よかったです」 率直に気持ちを伝えると、四谷さんがありがとうと笑った。 「伝えきれていなかった気持ちを、やっと伝えることができた気がする。それで昨日から、恋人に昇格してもらった」 「おめでとうございます」 もう一度僕はジョッキを上げ、彼と乾杯をした。 「……そういえば」 「はい」 「あれが、君の片想いの相手か?」 からかうような口振りに、そうですね、と応じる。 「イケメンだな」 外見が整っていることに、否定の余地はなかった。
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1999人が本棚に入れています
本棚に追加