13

7/13
前へ
/258ページ
次へ
「第一俺がいなかったら、村上さんまた適当なもので済まそうとしませんか」 「んー……」 そうかも。 でも、一日や二日食事の水準が低下したところで死にはしないし。 それに。 「そのときは、四谷さんと食事に行くかも。あのひとも、そんなに自炊しないし」 「へえ……」 一瞬、冷たい空気が流れた気がした。 しかしすぐに、そのひんやりを打ち消すような微笑みを浮かべ、彼は言った。 「四谷さんって、今日お会いした上司の方ですよね。恋人と仲直りされたばかりの方をお誘いするのは、時期的にあまりよくないんじゃないでしょうか」 「ああ、そっか」 恋人に昇格した四谷さんが、若葉さんをほっとくはずがない。
/258ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1999人が本棚に入れています
本棚に追加