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仕事の後は、まっすぐ家に帰るつもりだった。 暦の上ではもう冬。 まだそこまで寒くはないけれど、澄んだ空気に冬を感じる。葉の落ちた銀杏の木々を眺め、僕は家路を急いだ。 細い通りから、四車線の大通りへと出る。 時刻は既に十時を回っているが、車の通りは多かった。駅へと向かうタクシーを何気なく見送って。自宅方面である左に足を進めようとしたとき。 「あの……っ!」 背後から、声がした。
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