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誰か呼ばれてるな、なんて他人事みたいに考えていると。 「あの、待って!」 くいっ、と右腕の肘の辺りを掴まれた。 反射的に振り返ると、見知らぬ青年と正面から目が合う。 身長は、僕とほとんど同じくらい。おそらく、高校生か大学生。男子にしては睫毛が長く、黒目の面積が大きい。明るく染められた髪の毛の先は、やわらかく跳ねている。 要するに、かわいい系のイケメンだった。 その、かわいい系のイケメンが、なぜか僕を睨んでいる。 「僕に、何か……?」 おそるおそる問いかけると、彼は強い眼差しを向けたまま口を開いた。 「あなたが、大地の新しい彼氏?」 言葉の意味を考える前に僕は。 何か最近こういうの多いな、と。 やっぱり他人事みたいに考えた。
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