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「明日、……俺と過ごしてくれますか?」
彼が下から覗き込むようにして僕を見る。ずるくないけど、ずるい。このひとの全てが僕を翻弄する、その事実が、とてもずるい。
頷くと、ゆっくりと口付けられて。
「ん……、っ」
微かに開いていた唇の奥へと、舌を差し込まれる。
触れ合った場所から溶け合うような熱いキスにはまだ慣れなくて、目の端に涙が浮かぶ。
唇を離した彼は涙目の僕を見て、満足そうに笑う。
ほら、やっぱりずるい。
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