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――見えるのは黒い着物を着た男。
そして――白銀の髪をなびかせた美しい男。
黒衣の男が――私に話かける。顔は――よく見えない。
白銀の男が私に笑いかける――。紫がかった神秘的な色の瞳――。
吸い込まれそうなその色を妖しく光らせて――白銀の男が私に触れる――。
私の――力が失われる。
身体から力が抜けて――男二人に支えられて――そして――
「竜胆さん!!」
大きな声で呼ばれる。
その瞬間、パシッと何かが弾けるような音がした。
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