act.1 竜胆

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――見えるのは黒い着物を着た男。 そして――白銀の髪をなびかせた美しい男。 黒衣の男が――私に話かける。顔は――よく見えない。 白銀の男が私に笑いかける――。紫がかった神秘的な色の瞳――。 吸い込まれそうなその色を妖しく光らせて――白銀の男が私に触れる――。 私の――力が失われる。 身体から力が抜けて――男二人に支えられて――そして―― 「竜胆さん!!」 大きな声で呼ばれる。 その瞬間、パシッと何かが弾けるような音がした。
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