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心を研ぎ澄ませ――自分の全てをぶつけるようにして筆を走らせている時だった。
背後に。
しなやかな足音。
ゆっくりと振り返り、足音の主に微笑む。
「相変わらず……貴方は猫のようだ」
「おや? バレましたか?」
「声をかけてくれて構わないんですよ」
「作品に集中してらしたので。声をかけるなんて……不粋でしょう?」
「寒波さんらしい、気遣いですね」
「誉め言葉として受け取っておきます」
足音の主――寒波が艶然と笑った。
白銀の髪。白磁を思わせる美しい肌。
そして何より印象的な――紫の瞳――
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