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「要するに、自分の技術不足を僕たちのせいにしてるわけですね? 自分では女を繋ぎ止めることができないと」
「実際に依頼人のもとから逃げ出し、私たちに再度抱いてくれと……頼んできた女性もいましたしね……」
寒波がさもおかしいと言う風に喉を鳴らして笑った。
「愛より……身体の欲ですか?」
「まぁ、いいや」と気だるそうに言いながら、寒波が私に寄りかかってきた。
「依頼がないなら、昔みたいに探しに行けばいい。好みの女を僕と主人で誘って罠に嵌めて……快楽で縛りつければいいんだよね……」
寄りかかりながら、寒波が上目遣いに私を覗きこむ。
紫の――魔性を帯びたその瞳で。
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