act.6 束の間

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「はい、終わりましたよ」 蛇口に縛りつけられていた縄をほどかれ、精も根も尽き果てた私は荒い息を吐きながら、バスマットの上に転がった。 寒波の指先で弄ばれ、ボディソープを洗い流すと言って、シャワーで弄ばれ。 悪態をつけば、お仕置きという名目で、身体中をその指で擽られ。 自分の感覚を狂わされ、乱され。 全てが終わった時、寒波に何かを言ってやる気力さえ残っていなかった。 そんな私の身体に、フワリと柔らかい何かが被さった。 バスタオル……。
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