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「……なんだこれ」
突然の出来事に俺こと各務原 軌跡(カガミハラノリト)は戸惑っている。
何とも言いようが無い色合いの──目はチカチカするが──空間に俺は一人立っていた。
……なんでこうなったんだっけな。
やることもないので、とりあえず回想に入ってみることにする。
◆◆◆
「軌跡、軌跡!帰ろっか!」
「……またか」
俺に帰ろうと提案してきたのは野々村 守(ノノムラマモル)──こんな名前だがゴーストライターとか、300万を使い込むとかのには関係ないはず──
俺は正直、こいつが苦手だ。
なぜならこいつは鈍感系主人公だからだ。
しかも雑草を生やしながら受け答えすると、周りのビッチ共の視線がうっとうしくなる。
「ま、考えてやらんこともない」
「そんなこと言わずにさ!」
あぁ……うざい。
なんで俺と帰りたがるんだか……そこら辺にビッチは転がってるんだぞ?
それを差し置いて俺のとこまで来るとか……ホモか。
だとすれば……
「おーい、そこの三人」
近くに居たビッチ三人組に声をかける。
声かけんじゃないわよ、と言わんばかりにこちらを睨むが次の一言でそれが一変する。
「ちょっと急ぎの用事があるんでな、こいつ頼むわ」
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