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「どっかの探偵みたいに言うんじゃねぇ」
「じゃあ……いつもニコニコ、貴方のおそばに這い寄る混沌……冬木頼斗です☆」
「おい、馬鹿やめろ」
雑草を全力で生やす奴らより、滅多に雑草生やさないこいつのような奴らの方が厄介なんじゃね?
こう……対応のしにくさ的に。
「改めてよろしく頼むよ」
微笑みながらこちらに向き直る頼斗。
その顔はどこからどうみてもイケメンな顔立ちで、ビッチにすらモテないという話の信憑性が薄れた。
俺の場合は嫉みでモテないみたいだけどな。
「ま、そうだな。よろしく頼む」
嫌な感じはしないので普通に返しておく。
どうやら、こいつとは悪くない関係になりそうだ。
だからといってホモは勘弁だけどな。
「じゃ、わっちはあっちだから」
頼斗にそう告げられそちらを向くが既にその姿は遠くなっていた。
というか、一人称わっちなのかよ。
「さて、俺も帰るか……?」
足を踏み出した先に足場は無かった。
マンホールの蓋が空いていた。
「えっ!?ちょっ!?嘘だろォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォォ!?」
俺の叫びも虚しく、ギャグ漫画のように落ちていった。
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