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いつの間にか眠っていたらしい。
暗い部屋の中で目が覚めた。
否。
全てが闇に包まれているわけではない。
うすぼんやりと灯りが見える。
ポツリポツリと点在するようにして見える小さな灯り――。
あれは……蝋燭の灯り? 違う……行灯に照らされた蝋燭の灯り……。
起き上がって様子を見ようとして身体の異変に気付く。
――動かない。
正確に言えば、身体に力が入らない。
甘くて、頭の奥が痺れるような香りが部屋中に漂っている。
「目が覚めましたか?」
鈴を転がすような澄んだ声――。
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