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寒波が蝋燭に火を灯している。
アロマキャンドル……。
アロマキャンドルに行灯を被せていきながら、寒波が微笑む。
「力が入らないでしょう?」
アロマキャンドルの入った行灯を私が横たわっているベッドに備え付けられている棚の上に置いていく。
「これね、ちょっと特殊なアロマキャンドルでして……」
薄闇の中――。行灯のアロマキャンドルの小さな炎に照らされた寒波の美しい顔――。
「弛緩作用と催淫効果があるんです……」
寒波の指先が首筋を撫でる。
「……っ!!」
覚えのある感覚。
堪らない程に――蠱惑的な感覚――。
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