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それは突然で。
そして――初めて寒波の感情が、私に流れてきた。
激しい炎のような怒りと哀しみ――。
闇を照らす――否、そんな生易しいものじゃない。
全てを焼き尽くす――煉獄の業火のようで――。
息を飲み、寒波を見ていることしかできない。
「あんたがその名を!! 僕の名前を呼ぶな!! 僕のことも……母のことも!! ひとかけらだって愛してなかったくせに!! あんたが……僕の名前を呼ぶことは許さない!!」
「寒波さん!! やめるんだ!!」
今にも佐多に殴りかからんばかりの寒波をユウが間に入って止める。
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