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激昂する寒波とは対照的に。
佐多はゆっくりとソファーから立ち上がり、静かに微笑んだ。
「……話にならん。後は君たちに任せてもいいかね?」
そう言いながら、部屋から出て行こうと動いた。
「待てよ!!」
佐多の背中に寒波が叫ぶ。
「認めてくれたら……彼女とのことを認めてくれたら、あんたの後を継いでやってもいい」
その言葉で佐多が振り返る。
「あんたの持ってるもの……そっくり全部継いでやるって言ってんだよ。誰だったけ? あんたの秘書の。あんたを裏切って、別の奴の後押しで出馬するんだって? あんたの作った人脈を利用しながら」
寒波が小馬鹿にしたように笑う。
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