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「ねぇ、良いでしょう?」
ニコニコと笑いながら、佐多を見ている。
それは、無邪気な子供そのもので――。
佐多と寒波はにらみあうようにしている。
先に動いたのは佐多だった。
「下らんな……」
寒波の表情がピクリと動く。
「自分がめんどうを起こした女の始末を頼んだり、女の調達を頼んだり……。挙げ句、結婚したい云々……。わがままも大概にしろよ」
「わがまま? 僕は貴方と同じ事をしただけだ。そっちが選んできた女と一緒になってやるから、彼女を愛人にしても文句は言うなよってね」
佐多の顔が一瞬だけ、悲しげに歪んだ。
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