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だが、それは本当に一瞬のことで。
佐多は寒波を無視するように、私とユウに複雑そうな笑顔を向けた。
「すまないね、不肖の息子の道楽に付き合わせて……」
「いえ……。私の方こそ……。寒波さんにはいつも世話になりっぱなしですから……」
ユウが曖昧に笑いながら、そう答えた。
「僕は本気だと言っている」
佐多とユウの会話を切り捨てるように、冷たく寒波が言い放つ。
佐多が大きくため息を吐いた。
「いい加減にしないか!! まさ……」
「僕の名前を呼ぶなっ!!」
何かを言いかけた佐多に寒波が激昂した。
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